中国語辞書データベース

概要と収録範囲

中国語辞書データベース (CLD) は次の2つから成る包括的中国語語彙辞書である。

1. 簡体中文辞書データベース　(CLD-SC) 約490,000語
2. 繁体中文辞書データベース　(CLD-TC) 約493,000語

簡体字及び繁体字を各50万語目近く収録する巨大データベースであり、一般語彙・重要な専門用語等(訳25万語)及び固有名詞(訳25万語)を網羅している。本研究所では、長年に亘り、熟練した中国語編集員と言語学者とから成るチームを編成し、地道な編纂作業を続けて来ており、中国語辞書編纂の分野に於いて大いに貢献している。本データベースは自然言語処理（NLP)の数々のアプリケーションに最適である。例えば:

1. 機械翻訳用の形態素解析
2. 知的情報検索
3. 単語分節化や品詞コードタッグ付け
4. 中国語入力システム
5. 固有名認識

各種属性

各項目には各種属性が付いている:

1. 音韻属性（読み）: 注音符号やピンイン。この他IPA(国際音声記号)等も可。
2. 文法属性 品詞コード
3. 意味分類コード 固有名詞の類型等
4. 形態素属性 派生接辞や形態拘束属性

本データベースは、当研究所の、包括的固有名詞データベースと併用されると、その特性を一層発揮する。

編纂方針

本データベースの簡体字版は、単に繁体字版をコード変換されたものではなく、表記及び語彙素用法の両視点から慎重に校正され、正確性が裏付けされたものである（米語と英語に於けるcolorとcolour(表記上)、gasとpetrol(語彙上)の区別と同様)。例えばlaserは簡体中文では｢激光｣jīguāngであるが、繁体中文では｢雷射｣ léishèである。(中国語対中国語変換に於ける盲点と複雑な諸問題」を御参照下さい。）

本研究所独特の編纂方針として、読み(ピンインと注音)に台湾と中国大陸の発音の違いも載せている。例えば簡体中文では、期待 'to expect'はqīdàiであるのに対し、繁体中文ではqídài であり、この語の中国大陸と台湾での発音の違いを対比させている。詳細はSC and TC Chinese Pinyin Databaseを御参照戴きたい。

フィールド解説